NISA・つみたてNISAとは?投資の第一歩?メリット・デメリットまで初心者にも分かりやすく解説。ひも解きます。

「NISAを始めたいんだけど詳しい人いる?」

先日、妻が友人に聞かれたそうです。私の周りにもNISAに興味を持たれている方が何人かいらっしゃいます。

2024年からスタートする「新NISA(仮称)」制度。
新しい制度が始まる前に、まずは現行の「NISA・つみたてNISA」をおさらい。ひも解いてみましょう。

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NISAとは

NISAの「N」は日本(Nippon)の頭文字で、ISA(アイサ)は「 Individuai Savings Accout」の略となり、直訳すると「個人貯蓄口座」となります。

NISAはイギリスのISAを参考にした日本版ISAとなり、親しみやすい「NISA」ニーサの愛称で呼ばれ、個人貯蓄口座と言いましたがNISA専用の口座での「投資信託による資産運用」になります。

投資信託とは「投資を信用して託す」ということになり、専門家に投資・運用を任せるということになります。

 

超低金利時代が続く今、銀行に貯金していてもほとんど増えず、子供の教育費や老後資金の不安は消えません。
なので、多くの人に賢くお得に投資をして資産を増やしましょうと、少額から利益分は非課税で2014年1月から政府が始めた制度となります。

「利益分は非課税」とは、例えば株式の売買や配当金で年間に30万円の運用益が出た場合、通常の証券口座だと一律20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)という税金が課せられ6万945円を確定申告をし納めなければいけませんが、NISAにより増えた運用益や配当金は非課税となり、6万945円が実質節税となります。

つみたてNISAとは

NISA版の毎月決めた金額を拠出し積立していくという投資スタイルになり、金融機関により多少の違いがありますが、多くの銀行・郵便局などでは最低1000円以上1000円単位、楽天証券などのネット証券では最低100円以上1円単位からと細かく設定できるのが魅力です。

NISA・つみたてNISAによる主な投資先

まず、「インデックス運用」と「アクティブ運用」の2種類があります。

インデックス運用とは日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの指数(インデックス)に連動することを目指して運用する手法です。
一方、アクティブ運用とは、専門家が自らの相場観や運用方針などに基づいて、投資する銘柄を選定・売買しながら日経平均株価等の指数を上回ることを目指して運用する手法です。

NISAは上場株式・株式投資信託・ETF(上場投資信託)・債券・REIT(不動産投資信託)など多種多様。

つみたてNISAは、積立投資を前提としているため金融庁が定めたガイドラインに合致したもののみが対象となり、インデックスファンド・アクティブファンドの一部・ETFなどが対象となります。

商品本数として考えれば、圧倒的にNISAのほうが多く、つみたてNISAは厳選された選択肢ということになります。

決められていること・ルール

NISA

一人1口座

  • 日本に住む20歳以上の方が対象
    非課税のメリットを考えるとNISA口座を複数持ちたいと考えてしまいますが、税務上、NISA専用口座は一人1口座に限定されます。ですが、金融機関の変更は可能で、その年に一度でも金融商品を購入していないことに限り、変更したい年の9月末までに変更後の金融機関に提出・受理されればOKです。

利用・運用期間 必要資金

  • NISA専用口座開設期間は2014年1月1日から2023年12月31日の10年間
    この記事を書いているのが2021年7月になるのでNISA専用口座を開くにはあと2年半程度ということになりますが、2024年から「新NISA(仮称)」制度が始まり、現行NISAより大幅に見直されることが発表されました。
    新NISA(仮称)については、後日ブログ記事にしたいと思います。
  • 運用期間(非課税期間)は最長5年間
    例えば2023年に投資した場合には最長で2027年まで運用できます。
    最長5年の間にいつ売却・解約してもOK。ほとんどの金融機関で違約金・解約金が発生することはありません。
  • 上限金は年120万円、5年で600万円
    下限金は100円から1000円と金融機関により違いありとなります。

5年経ったらどうなる?選択肢

  • 非課税機関が終了するまでに売却する
    NISAで購入した株式等は、購入した直後から非課税期間が終了するまでの間、いつでも売却可能。売却価格が購入時の価格よりも高ければ利益が発生し非課税という恩恵を受けることができます。
  • 翌年の非課税投資枠に移管できる(ロールオーバー)
    ロールオーバーとは、例えば2014年にNISA口座で購入して保有し続けた株式等の非課税期間は2018年に終了しますが、同一金融機関内に限り2019年もNISAを利用する場合、2019年の非課税投資枠に2014年にNISAで購入した株式等を移管(ロールオーバー)できます。
    ロールオーバーした株式等などの非課税期間は2019年に新たにNISAで購入したものと扱われるため、非課税期間を実質5年間延長することができるのです。
    また、新NISA(仮称)制度へも少々複雑ですがロールオーバー可能です。
  • 課税口座に移管する
    課税口座とは、利益が出た場合に税金が発生する口座のことです。こちらの口座に移管し運用を続けることになります。

つみたてNISA

一人1口座

  • NISAと同じく日本に住む20歳以上の方が対象
    NISA口座かつみたてNISA口座のどちらかで口座開設、投資・運用できます。
  • つみたてNISA口座の金融機関の変更は年単位
    金融機関の変更は手続きがやや多いのでおすすめはしません。
    ですが、運用商品を変更することは簡単です。つみたてていた投資信託・ETFの新規購入を止め他のつみたてをスタートすればいいだけです。

利用・運用期間 必要資金

  • 運用期間は最長で20年
    2018年1月から始まった制度で、最長20年間と長期に積み立て・分散投資を支援するための非課税制度です。
    投資・運用期間は2037年までとされていましたが、新NISA(仮称)制度の改正により5年延長され2042年までとのこと。例えば、2021年につみたてNISAを始めた場合、2041年まで非課税で保有することができます。
  • 投資の方法はつみたて投資のみ
    金融機関によりますが、毎月・毎週・毎日等から年間40万円まで投資元本を拠出でき20年で800万円となります。
    例えば毎月つみたてなら、月3万3333円以内(年間39万9996円)でご自身に合わせた額(金融機関により違いあり)を設定できます。設定額は途中で変更することも可能ですが、年間40万円を超えるような設定はできません。

20年経ったらどうなる?

  • 売却し現金にする
    つみたてNISAはロールオーバーできないので、満期となった際に最も簡単なのが「売却し現金にする」という方法です。20年間保有せずとも途中売却もできますが、長期間運用するのに適した制度となり、できるだけ長く保有し続けるのが望ましいとされています。
  • 課税口座で引き続き運用する
    20年間の積み立てで保有した投資商品を売却せずに引き続き運用したいという場合は、課税口座に移し運用を継続することができます。

NISA・つみたてNISAのデメリット

NISA・つみたてNISAを検索すると、非課税やら年利何%と良いことばかり目立ち、「始めなければ損だ」と思われるかも知れませんがデメリットもあります。

  • 損益通算・損失の繰越控除はできない
    損失が発生しても損益通算できません。
    例えば、NISAではない課税口座で50万円の利益がある場合とし、NISA口座で50万円の損失が発生していたとしても、課税口座の50万円の利益に対し20.315%の税金を納めなくてはいけません。課税口座同士なら損益0となり課税対象となりません。
    また、NISAで発生した損失は、翌年に損失を繰越して翌年の利益と相殺する「損失の繰越控除」も利用することはできません。
  • 100%必ず絶対儲かるものではない
    シミュレーションでは右肩上がりで資産が増えますが、何らかの理由で株価が下がれば「損」になり「追証」が発生なんてこともあります。
    追証とは「追加証拠金」の略で担保(現金)を差し入れて投資を行うため、定められた担保率(保証金)を維持する必要があり、担保率(保証金)が一定の比率を下回った場合、定められた期日までに追加で担保(現金)を預け入れる必要があります。
  • 「手数料無料」ではあるが…
    口座申込手数料無料、株式買付手数料無料、口座管理・維持手数料無料(ネット証券に多い)等とありますが、実際にどこでも共通して「信託報酬」という経費が年何%(金融機関による)かかります。長期運用になるので少しでも「経費」のかからないところで運用した方がお得でしょう。

まとめ

NISA・つみたてNISAは一人1口座しか開設できません。これはデメリットではなく、非課税ということなので「あたりまえ」のことと言えるでしょう。
一人1口座とは家族も開設できるということ。例えば、NISA口座をご自身で開設し、つみたてNISA口座を夫・妻名義で開設すれば、分散投資にもなり最大限に恩恵を受けることになります。

またお子さんが居るなら「ジュニアNISA」というものもありますが、こちらについては使い勝手の悪さから利用者が少ないなどの問題もあり、2023年末をもって廃止が決定されました。
今から2023年までの2年半だけ非課税枠を活用し、廃止後に(18歳になるまで引き出しは原則できない)自由にお金を引き出せるのであれば、投資戦略的には❝あり❞かもしれません。

今回は「NISA・つみたてNISA」をおさらい。
ファイナンシャルプランナーの資格もない一個人の知識・見解となりますので、間違っている部分があるかもしれません。詳しくは金融機関でお問合わせください。

全く「知らない」というより少しくらいの知識があれば一歩を踏み出しやすいもの。
興味・関心を持たれ、これから始める方の背中を支えれば幸いです。

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